Chef
シェフ紹介
オーナーシェフ FUMI
1967年生まれ、宮崎県出身。会社員時代にワインと食事の楽しさに目覚め、27歳で料理の道への転身を決意。30歳で渡伊し、フィレンツェの【Alle Murate】でイタリアの家庭料理を基礎から学ぶ。同店で7年、さらにシチリアなどで計10年間、5店舗で修業を重ねる。
帰国後、日本でも数年間経験を積み、2011年12月【Chiara Bella】を開店した。イタリアの家庭料理のすばらしさを伝え、宮崎の食文化向上へ貢献したいと希求する情熱的な料理人。
インタビュー
イタリア料理との出会い、そして経験なしのまま渡伊
私が初めてイタリア料理と出会ったのは、日本で会社員をしていたころです。
当時、イタリア料理は日本でも認知されてきたころで、さまざまな情報が日本に入ってきました。
そんなときに出会ったのが、あるソムリエさん。
イタリア料理やワインについて、文化について、さまざまな話を教えてくれて、次第にイタリアに惹かれていったのです。
私は26歳だったのですが、一度海外で生活をしてみたいという思いがあったことから、興味があった飲食、なかでもワインについてイタリアで学んでみようと思ったんです。
そして、30歳を機に、サラリーマン生活に終止符を打ち、渡伊しました。といっても、イタリア語が未熟だったため、ソムリエとして雇ってくれる店はなく…。
じゃあレストランのホールでと思ったものの、結局、キッチンで調理の手伝いをすることで決まったんです。
といっても、なんと無給(笑)。
とはいえ、私が調理に興味を持ったのも、厨房での手伝いがきっかけでした。
ソムリエの勉強も続けていたものの、いつしか「コックになりたい」と思うようになったんです。
宮崎食材で楽しむ、イタリアの家庭の味
イタリアでは、トスカーナ州の州都・フィレンツェや地中海最大の島・シチリア島などのレストランで経験を積みました。
日本でも同じですが、イタリアにもその土地の郷土料理というものがあり、家庭の味があります。
レストランの料理もいいですが、毎日食べたいのは、そんな日常的な家庭の味。
私がお店で提供するのも、これまで出会ってきたトスカーナやシチリアの郷土料理、家庭料理です。
私自身、イタリアでの生活が長くなるにつれて、だんだんシンプルなトマト料理だったり家庭料理だったりがやっぱり安らぐし、安心するなということに気がついたんです。
「毎日食べられる家庭の味」がテーマだからこそ、食材はイタリアならではの味を楽しんいただくため、本場仕込みのやり方で調理をしていきますが、食材そのものの味を大切にしています。
また地産地消にこだわり、牛は尾崎牛、野菜は宮崎県産がほとんど。宮崎は農作物はもちろん、畜産も盛んなので、野菜・豚・鳥・牛なんでもおいしいです。
そこで野菜に関しては宮崎県産に拘り、地場の美味しさを伝えていければと思います。スペシャリテの「焼やさい」も、とてもシンプルな料理ですが、旬の味が詰まった人気メニューです。
グリルした野菜が10〜14種類盛られた華やかなひと皿。
清涼感のあるサルサベルデソースでお召し上がりください。
楽しんで作る料理で、イタリアを感じてほしい
お店では、私が経験したイタリアの生活を少しでも皆さんに伝えられたらと思っています。
テラコッタの床や淡いイエローの壁紙など、内装も現地のお店をイメージしているんです。
家庭の味を楽しみ、あまり気を張らずに。
それこそ食堂に行くような感覚で料理を食べに来てほしいですね。
またお店を経営する上で、大切にしているのが「楽しむこと」。これは、フィレンツェで出会ったある女性シェフに教えてもらった言葉です。
「あなたの思いがお皿にある。
だから常に楽しみなさい、楽しみながら仕事をしなさい」。
料理はシェフの気持ちを反映します。
楽しい気持ちを失って料理を作ると、楽しくない一皿が出来上がってしまい、それを食べたお客さんも楽しくなくなってしまう、ということです。
どんなにドタバタして忙しい時でも、楽しむ気持ちを忘れないこと。
お客さんにも、私の料理を通して、その“楽しみ”を感じていただきたいです。